私はこの3月、有難いことに仕事が立て続き、身も心も喉もボロボロでした。そんな時に『そうだ、ザ・ビューティフルを観に行こう。』とJRのCMさながらに、稽古終わりに突然思い立って出かけたのでありました。仕事仲間には、よくこんなに大変な時に観に行ったね、と呆れられましたが、こんな時ほど、唯々美しいもので目と心を癒したいと思ったのでした。
それにしても、あの日は形容し難い強風でした。人と言うよりは疲れ切ったカッサカサの汚いスポンジのような私は、向かってくる強風に心が折れそうになりましたが、辿り着いた建物を見て心を奪われました。
建築オタクのくせに灯台下暗しです。建物の中の写真も撮りまくりたかったのですが、撮影禁止のパネルが。グスン。
古い慣習や決まり事から離れて、新しい美を求めたイギリスの若い芸術家たち。ロセッティやホイッスラー、レイトンらが中心となり、視覚的な悦びを重んじた唯美主義が起こります。
私はもともとロセッティが好きで、ロセッティと、これまた大好きなビアズリーをお目当てにしておりましたが、このエクスポジションを観に行ったお友達が「レイトン凄いから!」と教えてくれました。どれどれ、どこにレイトンさんの作品が?と探すまでもなく、凄まじいオーラの作品が!!
そしてロセッティもうっとりしながら執拗に眺め、ビアズリーもニヤニヤしながらジロジロ見ました(笑)。ほとんど変態だね。
ビアズリー&ワイルドのサロメは、私が初めてウィーンに行った22歳の頃、本屋さんで見つけました。自分のお土産に即購入。これは自分にとって宝物です。
どうでもいい話になってきたのでこの辺で。このゴールデンウィークで終わってしまう美の宮殿へ、皆様是非お出かけくださいませ!