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金木犀が秋の空気を彩る頃、私たちのゴリゴリマニアック且つオシャンティなコンサートが開催されました。
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フルーティスト西田紀子さんと岩撫智子さんのピアノ、司会は加藤牧菜さん。

クープラン、ラモーからジョリヴェ、メシアンまでと、フランス音楽史を包括する色濃い内容でしたが、そんなプログラムを黙って演奏すればお客様は泣く!と思い、あれこれスライドを工夫したり、隠し芸大会を挟んだりしました。お客様には笑顔を保って頂き、私たちも楽しくコンサートを終えることが出来ました。

西田さんのフルートは、私がそれぞれの歌曲の中で思い描いているあらゆる色彩や湿度を見事に表現して下さり、私はただただ、その詩と音楽の世界の中に浸らせて頂きました。

それは至福の時でした。音楽の悦びとは、私にとってアンサンブルの妙ですが、それによって、何もないこの場に突如生まれてくる3Dの映像、それを目の前で見られる事(むしろ渦中に入ってその世界の主人公となる事)は、何という感動でしょうか!共演者にこの感激をお伝えしたいと思います。ありがとうございます!
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コンサートの模様を少しご紹介。

まずフランスとは?
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宮廷音楽の雅さ爆発のラモー。
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ドビュッシー、魅惑音楽の秘密をレクチャー。
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こちらはシランクス。これは絶品。
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後半はラヴェルの『惑わしの笛』からスタート。
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西田さんの吹くフルートは、私の(不倫の)恋人の吹く音なのです。ですから家の外という距離感をもって吹いて頂きました。それはそれは物凄い臨場感を醸し出し、会場中が背徳的で官能的な気分になりました(笑)。そこからの隠し芸大会へ。振り幅スゴイッ。

まずは私の『惑わしの笛』。
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客席は、惑わしの笛だけに、一瞬困惑し、そして爆笑でした。下手すぎて(笑)。私も、顔が笑っちゃってるもんね。

必殺デュアル吹き。
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右手にアルトリコーダー、左手にテナーリコーダー。牧菜さんはソプラノリコーダーで参戦。最後に私もフルートで混ぜてもらいました。

さぁさぁ、お待ちかね!今日の見世物小屋、一番の出し物だよっ。フルーティスト西田紀子、竹輪を吹く〜!
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食べてるんじゃないからね。そんなコンサートないよね(笑)。「西田さん、竹輪を食べる!」の巻。ないない。

それが竹輪なのに、ちゃんといい音が出て、おまけに音階も吹けるのです。初心者フルーティストの私とプロのフルーティストの竹輪で『ほたるこい』を合奏したのですが、チューニングで、私に音を合わせてもらっちゃいました。はい、竹輪の勝ち〜。

そしてメシアンとフルートの大曲、ジョリヴェが演奏されました!
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最後には私の念願、マルタン『クリスマスの3つの歌』も演奏させて頂きました。
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嬉しいっ(≧∇≦)

あー、楽しかった(笑)。

というわけで、出演者とスタッフと打ち上げ&反省会&次回の作戦会議。岩撫さんはこの後、合唱団の練習に向かったので写真を撮り損ねました。猛烈な勢いでビールやら梅酒やらを呑んで出かけました(笑)。
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ぴーちゃん&牧菜さん
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のんたん&フルーティスト

第二回もお楽しみに〜!
# by komaiyuriko | 2014-10-20 18:11

芸術の秋、到来です。

東京文化会館から、国立西洋美術館の松方コレクションに関連するコンサートをして欲しいとのお話がありました。その時、激しくガッツポーズを繰り返したことは言うまでもありません。その後、ル・コルビュジェの建築の話も追加して欲しいとのご連絡。あの建物でコンサートをするなら避けて通ることのできない話です。そこら辺の居酒屋よりも元気良く「喜んで〜!」と叫んだ次第でした。

そんな私にとって夢の企画、《国立西洋美術館に魅せられて》がつい先日行われました。
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フルートは西田紀子さん、ピアノは岩撫智子さん。

わがままを言って、コンサートトークに必要な絵をコピーして頂いたり、それと一緒に、パリ留学時代、自分で作ったコルビュジェのポスターを恥ずかしげもなく、否、むしろ自慢気にお客様にご覧頂いたりと、やりたい放題の30分×2回公演でした。
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絵をご紹介ガールののんたん。

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自作『ル・コルビュジェポスター』
ロンシャンの礼拝堂とサヴォワ邸をメインに。

始めにプログラムを考えた時は、2時間程の大コンサートが出来上がってしまい、それを4分の1に減らすのが一番大変な作業でした(笑)。だから喋る、喋る。
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はよ歌え!と言われないうちに歌を挟み込みました。西田さんの表情が『よく喋るな〜。』に見えてきます。

そして当日、一番大変な作業を任されてしまったのが、私のナンバーワン助っ人の牧菜さんと、ナンバーツー助っ人ののんたんです。彼女たちは、本番で使うキーボードを運ぶという、一大ミッションが与えられてしまったのでした。ごめんね〜(涙)。

ほぼ等身大で10キロオーバーのキーボードをキャリーに乗せて運ぶ牧菜さん。
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人混みとそのキャリーの運転にヘトヘトです。のんたんは、それをサポートしながら、キーボードの脚になる台を運んでくれました。

不幸中の幸いは、天気予報では嵐だったにも関わらず、一滴も雨が降らなかったこと。これで嵐だったら、罰ゲームだよね(汗)。

そんなお二人の、縁の下の力持ちっぷりのおかげで、コンサートは無事終了。

まったく同じ内容の2回公演に2回ともいらして下さった方が、ざっと見積もって3分の1ほどいらっしゃいました。わーん、ありがとうございます(泣)。

さてさて、庭のロダンと遊ばなきゃ!
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一番上の3人のパロディ

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上部にある考える人のパロディ

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中段にある落っこちている人のパロディ

ひとしきり遊んだので、打ち上げに参りましょう!美術館風にプレゼン。
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『小僧と巨大おにぎりと美女』
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(2014年頃) ルーブル美術館

帰り道、なまはげに遭遇。なかなか会えませんよ、なまはげ。悪い子いねーがー?!
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これで無病息災じゃーー!!

素晴らしい共演者と素晴らしい助っ人のお二人、そしていつも私を応援してくれる両親と親戚のおじちゃんおばちゃん。どうもありがとうございました。そして嵐の予報の中、いらして下さったお客様、あなた方は危険をかえりみない冒険家。心からの感謝を申し上げます!ありがとうございました。
# by komaiyuriko | 2014-09-26 23:09

夏休みの写真日記 8月編

ひまわりを見る度に思い出す、小学校2年生の夏休みの宿題—ひまわりの観察日記。書かずにほっぽらかしにしていたら、いつの間にか枯れていて、怒るお母さんに連れられて、近所の見知らぬ人の家に咲くひまわりを、泣きながら見せてもらいに行ったこと。

さ、2014年の8月を怒られる前に振り返り、反省してみようっと。

まずは北区のまちかどコンサートがありました。『パリ✈️ウィーン 音楽旅行』と題しまして、私の留学時代の写真を交えて漫談をしながらのコンサート。
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後半は歌声喫茶のマダムとなり、お客様に歌って頂き、私は鍵盤ハーモニカでオブリガードを演奏。
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お客様の本気の歌声にたじろいだほどでした。

台風が来ていたこの日、お客様がいらっしゃれないかもと心配しておりました。それがどうでしょう?!北区まちかどコンサート史上最高のお客様数となりました(笑)。
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もう入り切らなくて、会場のドアを開けていました(笑)。ありがたや、ありがたや。

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大学の同期、河野ちゃん。この日、お見合いだったにもかかわらず、駆けつけてくれました(笑)。

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コンサートのお手伝いなど全てを見事にこなしてくれたのんたん。そして先日自転車で転び、手を負傷していた母。もー。

さて、下旬に入り、長崎へ第九を歌いに行って参りました。西本智実さん率いるイルミナートオーケストラ、そして北海道から九州まで、各地から集まったコーラスの皆様との共演でした。
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それが、思いの外遠かったのですよ。遠いとは思っていましたが、実際、想像をはるかに超える移動距離でした。福岡から佐賀を通って長崎へ入り、佐世保、そして大きな橋を超えて平戸市(平戸島)へ。
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平戸の人々の人懐こさに、旅の疲れを癒され、満員御礼のホールでの第九は熱狂のうちに終了しました。
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二期会の同期、佐世保出身の久野ちゃんがコーラスで参加してくれていました!

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長崎に住む、親戚のおじちゃんおばちゃんと。久しぶりに会えて、本当に嬉しかった!父撮影。父も聴きに(というより長崎旅行に)来てくれました。

第九の前には「オラショ」と呼ばれる、隠れキリシタンの方々が歌い継いできた祈りの歌の演奏がありました。オラショのオリジナルである、グレゴリオ聖歌を歌うコーラス団と、オラショを歌う数名の信者の方が魂を一つに、同時に歌うシーンは印象的でした。時空を超えた神秘的な体験でした。

本番の日の午前は、自由行動でしたので、父とさーちゃんとの三人旅。
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我らが泊まった旗松亭という老舗の旅館から海の方へ下る道。オランダ塀というらしい。

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オランダ埠頭。海が綺麗!

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平戸オランダ商館

さあ!元祖ちゃんぽんを食べましょう!
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父とあごちゃんぽん
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平戸ちゃんぽん(激美味)
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この食堂の天井
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観光再開。味のある商店街。

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ザビエル教会

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ザビエル教会と寺院

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リハーサルの時間なので、ホール入り。プチ観光楽しかった!

翌日は更に西にある生月島まで移動。
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この橋を渡ります。

山田教会という見事な教会で、ミサに参加させて頂き、グレゴリオ聖歌を歌いました。
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もうどれだけ移動したか分からない程でしたが、お父さんが既に山田教会にスタンばっていました(笑)!よくぞここまで自力で来てくれたものだ、と心底感心し、感謝しました。いや、ほんとよく来れたね。自分ではなかなか行けない、歴史のある素晴らしい街でした。貴重な体験をさせて頂きました!ありがとうございました。


さて、もういっちょ。
7月から稽古に励んでおりました、東京文化会館オペラBOX『ヘンゼルとグレーテル』が、31日、無事終了致しました。
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初役の母親役でしたが、演出の三浦さんの解釈により、とても魅力的に描いて頂き、やり甲斐のある役となりました。

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露の精さんと

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眠りの精さんと

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魔女とグレーテルちゃんも!

共演者の素晴らしさが目立つ、贅沢なプロダクションでした。そんな素晴らしいソリストさんの中でヘタレのユリコがバレないようにと、いつになく緊張感のある舞台となりました(笑)。内心、『あ〜、早く無事に8月31日の夜にならないかな〜。』なんて思っていましたが、いざそうなると、一抹の寂しさがありました。共演者の皆様のおかげで、素晴らしい夏の思い出となりました。ありがとうございました。

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打ち上げで弾ける女子。

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名司会にして名役者の朝岡さんと。真面目な顔して撮るって言ったから…。
# by komaiyuriko | 2014-09-04 01:15

立秋とは名ばかりの、照りつける太陽の下、世田谷美術館へ行って参りました。ピアニストでフランス音楽&西洋美術の研究家でもある《鶴園紫磯子先生と行く、ボストン美術館 ジャポニスム展》に参加したのでした。
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鶴園先生は特にジャポニスムの専門家。今回もまた興味深いお話をたくさんしてくださいました。

ところで、私はこの世田谷美術館に割と行く機会が多いのです。趣味が合うのかも。なんちゃって。砧公園の中にある素晴らしい環境。でも如何せん、行きづらいのです…。よっぽどリゾルートな決意を持たせる展示会でもない限り、心がモレンドしてしまいます。そして毎回、拝観した後にアンケートをしたためるわけです。「駅から美術館までの無料バス(無料ってところが図々しい)を出して下さい。観覧者も増えると思います。(←余計なお世話。)」と。

何と今回、駅から美術館までの100円バスが初登場しました!
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これは快挙です。力の入れ具合が感じられます。今回に限らず今後も続けて欲しいです。

バス停を降りたら公園内の並木道をまっすぐ進みます。この時の蝉しぐれと言ったら!
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日本の夏だなぁと思わせてくれます。隣の人の話し声が聞こえないほど、力の限り鳴いていました。

この展示会は、ボストン美術館の企画で、コメント等もボストンの方がメインで作成されているようです。ここが大きなポイントですよね。我らが、これ、ジャポニスムの影響じゃー!と言っても、我田引水と思われてはシャクですものね。むしろ今回の展示会では、『え、これも?!日本の影響受けちゃった(照)?!』という作品のオンパレード。鼻が高いです。

当時の日本人が思っていた以上に、外国の方は日本のアートを見て、その価値を見出していたわけです。芸術というのは、その価値を見出してくれる人あってのものだなぁと感慨に浸りました。私たちも日々、素晴らしい芸術の再生者として心身を研磨しておりますが、その価値を分かってもらえなければ、ただの騒音に過ぎないのだなぁと、北斎漫画が陶器を包むための紙にされていたことを思い出しながら感じるのでした。

モネやゴッホはジャポニスムの影響を大きく受けた画家として有名です。今回、私が驚いたのはピサロにもその影響があったということ。印象派とは、光と影の問題。それを浮世絵はいとも簡単にその問題を超越していたのです。ピサロが綴った手紙には『広重は素晴らしい印象派主義者だ。』と書かれています。そして「雪に映える朝日」。
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美しいです。たくさんの絵の中にあっても、息を飲む作品です。冬の朝の凍てつく寒さと陽射しのほのぼのとした温かさ、冷たい空気の純粋さ、そして人の営み。まるでこの絵の中にいるように、五感全てが敏感に感じる、優しい、穏やかで美しい作品だと感動しました。

また着物を纏った西洋女性の絵も豊富でした。女性のポーズが物思いに耽っているというのが今までになかったものらしい。これも浮世絵の影響〜。
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ステヴァンス「瞑想」

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ターベルの「夢想」

ベルギー象徴派の絵画に多く見られる、アンニュイさ、メランコリー、そして何かを暗示しているような雰囲気を感じました。

今までゴッホやモネの作品で、これは浮世絵の影響です、ということを読んでも、『ふーん、それは分かった、でもどこがどのように?』と実は曖昧だった部分があります。それらが、今回の展示会で明確になりました。

・大胆なデフォルメ
・アンシンメトリーの構図
・俯瞰構図
・近接拡大
・顔の大写し
・画面の端による対象切断
・格子
・バックと主役が同じ程の存在感
・対象物に対して、手前に莫大な障害物
etc.

これらのことが具体的な例によって示されています。ステヴァンス(ベルギーの画家)は言っています。『日本美術は真の印象派だ。日本美術は近代性を表現するための効果的な要素である。』と。なるへそー。心からなるへそです。

美術館へ行き、こんなに曇天だった私の頭が快晴になったことはありません(笑)。この展示会のキュレーターの皆様、ありがとうございました!

そしていつも惜しみなく知識を与えてくださる鶴園先生に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

美術館の去り際、ジャポニスムを意識しての一枚。
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わっかるかな〜、このジャポニスム感(笑)。

鑑賞会の後のお茶会がまた楽しみの一つ。お茶会とは言え、私はハンバーグ&ステーキセット食べたけど内緒。今回はフランス歌曲の大家、太田朋子先生もご一緒でした。二期会研修所時代の先生です。今の私があるのはこの方のおかげです。きっぱり。本当に楽しく素敵な時間でした〜(惚れ惚れ)。
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先生方のコンタクト話、最高でした。けたたましい笑い声をあげてしまいました。内容は割愛(笑)。

ボストン美術館展、オススメどころか必修です。どうぞお出かけ下さい!
# by komaiyuriko | 2014-08-17 18:03

音楽関係者は、ラヴェルの『ダフニスとクロエ』のことを“ダフクロ”と言うらしい…。略すのが大好きな日本人。

ベートーヴェンの交響曲第7番は“ベトしち”、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークは、“アイネク”、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトは“チャイコン”、弦楽セレナーデは“弦セレ”、フォーレのレクイエムは“フォーレク”、ファミリーマートはファミマ。

中でも酷いのは、オペラ『フィガロの結婚』の中のケルビーノのアリア“恋とはどんなものかしら(Voi che sapete/ヴォイ ケ サペーテ)”のことを、ヴォイケサペと呼ぶこともある。あと“テ”だけじゃんっ!

ブラコン(ブラームスのVnコンチェルトで、ブラザーコンプレックスではない。)、春祭(ストラヴィンスキーの春の祭典で、東京春音楽祭ではない)、ひげじょ(悲劇的序曲のことで、ヒゲづらの女ではない)…切りが無いのでやめます(笑)。

ダフクロは、リヨン歌劇場の来日公演で演奏されました。
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指揮は大野和士さん。もちろん演奏はリヨン歌劇場の皆様。なんとそこに、シンガーズの各パート4名が参加させて頂きました。ちなみにソプラノ2は私一人。リヨン組は80人位いるのだろう、我らが数人入ったところで意味あるのかな…なんて思っていたら、いらっしゃったメンバーも各パート5.6人でした(笑)。どひゃっ。

大野さんは、来日したご自分の小屋のメンバーに向かって、「健康に気をつけて、素晴らしい日本滞在となりますように!」と稽古前に一言添えられました。そーゆーとこっ!

この偉大なマエストロのこういうところが好き、と思いました。大昔の話ですが、ベルリオーズのロメジュリ(略語満載)を大野さんとシンガーズで演奏した際にも、初稽古の時に、世界情勢を踏まえて、「今この曲を演奏する意味があるし、我々の使命だ。」というようなことをおっしゃった事を思い出しました。言わなくても分かってるし、言ったらキザかな、なんて思うようなことって日常に割とありますよね。でも言葉にすることによって再確認し、関係がより深まることがあります。

私の身近にも、ステキ男子がいます。とても仲良しなのに、「これこれこういうことで、ゆりがこう言ってくれたことを嬉しく思う、どうもありがとう。」などというのです。この人偉いなと心底感動します。仲良しすぎてふざけちゃって、きちんと気持ちを伝えないことって往々にしてありますよね。彼を見習って、私も特に感謝の気持ちはきちんと伝えたいと思います。

なんの話だったっけ。
ダフクロ、初期のドビュッシーのようなところあり、これぞラヴェルのオーケストレーション!と興奮させる場面あり、舞台が目に浮かぶような写実的でありながら印象派のヴェールに被せて、我らの想像力を掻き立ててくれるところありの、アドレナリンが出放っしの約1時間でした。

初日の大阪で、リヨンコーラスメンバーの女性の方がお一人、浮かない顔をしていました。どうやらトランクが不運なことに日本に着かなかった模様。。。よくあることです。そこで、翌日の東京公演のG.P.とコンサートの合間に弱り切った彼女と一緒に下着やら服やら生活必需品を買いに行きました。彼女は新宿の街を好奇心いっぱいに眺めていて、なんだかこちらまで楽しくなってしまいました。こういうアクシデントのおかげで、仲良くなれて良かった!彼女にとっては大変でしたが、私にとっては忘れ難い、いい思い出ができました。

コンサートは超満員。熱気溢れる会場で、ラヴェルの音楽が生き生きと奏でられていました。爽快感のあるコンサートにご一緒できて本当に良かった!有り難や〜、有り難や。

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大阪公演のため、前乗りしました。その日は、のぞちゃん夫妻とご飯を食べました!美味しいお好み焼きを満喫。

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そしてまさかの2連チャンで同じ店へ。美味しかったので、アンコールです。

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東京公演後、リヨンのメンバーと記念撮影。思い出深い公演となりました。

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最後はオペラシティ上にある焼肉屋さんで打ち上げ。高いお肉って美味しいね。

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帰りは酔っ払ってもないのにこんなことに。
# by komaiyuriko | 2014-08-05 18:16

パナソニック美術館で、『フランス印象派の陶磁器〜ジャポニスムの成熟〜』を鑑賞しました。
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音楽と美術におけるジャポニスムの専門家であられます、鶴園紫磯子先生の解説と共に鑑賞できるというこの企画に参加させて頂いたのでありました。実のところ、陶磁器には興味があまり持てませんでした。このチャンスで、もしかして好きになっちゃったりして♥️なんて期待していたら、本当にその通りになりました。やっぱり何事においても知識を得る、というのは興味の始まりですね。
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ジャポニスムの極意を教わり、嬉しくて、最近では会話にジャポニスムが頻繁に出場するようになりました。子供みたいでお恥ずかしい(笑)。

そしてまたある日。『チョコレートドーナツ』という映画を新宿武蔵野館で観ました。
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これは、アメリカで起った実話に基づく映画です。あるゲイカップルが、隣家の育児放棄されたダウン症の子供を引き取り、無償の愛をもって育て始めるところから始まります。学校の先生も、この子が彼らに引き取られて以来、学力も向上、人とのコミュニケーション力も上がっていると称賛。しかし、1979年の話です。同性愛には根強い偏見と激しい差別がありました。家族以上に愛し合う3人は社会によって引き裂かれます。愛のある生活を取り戻そうと、法廷で戦う二人。そして悲しすぎる結末。

本当の正義って、愛って何なのさっ(怒)?!
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人々が愛を育む、そんな当たり前の権利を社会的に堂々と手に入れるために、正義(司法)を前に戦う二人の勇気と忍耐力に心が震えました。全ての人の自由と尊厳が尊重される社会を作るために、一体どれだけの犠牲が必要だというのでしょう。

それでも、こうして戦って来た多くの方々の勇気ある行動と犠牲が、世界を少しずつ変えてきたのです。今を生きる私たちも、本当の自由のために戦わなければいけない、アクションを起こさなければいけない、と痛感しました。

映画館では、『ミルク』を観た時と同様、義憤にかられ、嗚咽をあげる場面もしばしば。多分、優に2リットル位の涙は出たね。

この日はレイトショーを観に行きました。映画館を出て、友人と社会について語り合いながら、夜の街を歩き、「全ての人にはね、尊厳ってものがあるんだよ〜(怒)!」と大声で叫びたい、そんな夜でした。

シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館他で上映中です。

黙殺され、自由を冒されている人々のために、鈍感ではいられません。知らないではすまされない現実があります。人権問題然り、憲法解釈問題然り。みんなで怒りましょう。おーっ!
# by komaiyuriko | 2014-07-08 12:05

昨年の11月、江戸川区の女声合唱団から、指導をお願いしたいとのお話がありました。その名は「うたうーまん」。……。随分ふざけた名前だな、と思いましたが、同時にオモロイ合唱団に違いないと確信しました。

実はこの合唱団、ドビュッシーの記念年に、クルト・パイユで『選ばれし乙女』を上演した際、コーラスで参加してくださった団なのです。ですから、まるっきり知らない合唱団ではありませんでしたが、初回の稽古に伺った時は驚きました。だって練習室に1歳未満の赤ちゃんがゴロゴロしてるんだもーーん。そして隣室には、1歳以上、幼稚園未満の子供たちが保育士さんと楽しく過ごそうと、そこにもざっと10人ほどいました。

日本の少子化は嘘だ、と思いましたね。江戸川区は日本を救う!

練習中も絶えずどこかで赤ちゃんが泣いていたり、可愛いヨチヨチ歩きちゃんやハイハイちゃんたちが移動しています。何かにぶつからないか、倒れて怪我しないか、私は慣れていないので気が気でない。指揮をしている私の股の間を一人の赤ちゃんがくぐり抜けたら、それを見ていた子達が並ぶ(笑)。それら全ては、もう可愛くて仕方ない光景の連続ですが、コーラスの練習だとものすんごく気が散ります(笑)。

そういうわけで、この合唱団はハーモニーの作り方とか、曲の作りを見てみて、どこがどうなっているとか、詩の内容がどうだとか、あまり気にしたことはなかったようです。一瞬気が遠くなりましたが、やる気がどんどん湧いてきたのです。なぜなら、メンバーのお母さんたちの目が澄んでいるから。これ、ホント。

この方達の日常って、私の未知の世界で、ある意味戦場のような毎日なんだろうな、と想像するのです。小さな子供が二人、三人いて、朝から晩まで目が離せなくて、泣いたり叫んだり、ご飯作って食べさせたり、食べなくて怒ったり、着替えさせたり、お風呂に入れたり、おしめかえたり、寝かしつけたり、夜泣きされたり、まったく、母親というのはとんでもなく大変な仕事です。それなのに、この方達は週に一回、歌を歌いに来ようとしているのです。私は今まで感じたことのない深い感動を覚えました。私だったらどうだろう、多分、歌わないんじゃないかな、と。彼女たちは日常生活にひと時の音楽を求めている。だからこんなにも純粋な眼差しを向けているのだと気付き、私の気合いがムンムン湧き上がって来たのでした。

音楽面だけとってみれば、こりゃー道のりは長いぞ!と言った感じでした。それなのに、ある日『全日本おかあさんコーラス大会(コンクール)に出たい』などど言うものですから、「おっとー、本格的な合唱曲も歌ったことないのに?」と正直焦りました。でも頭の中に閃いた曲があったのです。徳山美奈子先生の『台所の歌 シャンソン・キュイジーヌ』という曲集です。私はその中から、今のうたうーまんにもっともふさわしい曲を三曲選び、コンクール出場を決めました。

作曲家の徳山先生は、大変豊かな方で、私たちの稽古に何度もいらして下さり、アドバイスと愛と勇気を与えて下さいました(涙)。
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稽古にいらしてくださった際に、先生を囲んで記念撮影。本番当日も、金色のうたうーまんパネルを持って応援にいらしてくださいました!

あっという間に月日は経ち、驚くことにあっという間に“音楽できる”団へと成長していました。実際には、長い低迷期があって、突然グンと伸びたのでした。やる気スイッチが入ったんだな、あれは(笑)。人のやる気とはすごいものです。

またメンバーはもとより、ご家族のサポート体制がスゴイ!臨時練習やら何やらで、それぞれのご家庭にご迷惑をおかけしたと思いますが、パパさんたちやおじいちゃんおばあちゃん方にご尽力頂き、助けられました。自分だけが頑張ろうと思っても難しい状況ですものね。

本番の日、朝早く集まって、会場近くのカラオケボックスで最終練習をしました。こういうところ、ママさんたちのアイディアと行動力に脱帽です。

会場に到着し、ベルトコンベア式にステージへ。ステージに乗った時、メンバーの照明を浴びたお顔が大変凛々しく、堂々としていて、たった7ヶ月しかご一緒していないのに、初回の稽古で歌っていた「(ほぼユニゾンの)ミッキーマウスマーチ」を思い出し、私ったらこっそり感動していました。

本番では、今までで一番集中していて、彼女たちの中では最高の演奏ができたのではないかと思います。緊張感と集中力と、そして舞台を楽しんでいるような雰囲気さえありました。これは徳山先生の曲のおかげでもあるのです。我らうたうーまんにとって等身大の曲で、笑いあり、涙ありの三曲でした。会場にもそれが伝わったようで、現代社会をシニカルに歌う、ブラックユーモアたっぷりな曲では、会場からも笑い声が聞こえました。そして母となって初めて気づいた、自分のお母さんへの感謝を歌う曲では、涙なくては聞けない仕上がりだったと思います。
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演奏後、写真を撮って下さいます。パパさん達もご一緒に!素敵な写真です。
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ソプラノさんと。なめんなよのポーズ。

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メゾさんと。おんどりゃーのポーズ。

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アルトさんと。ワワワワ〜のポーズ。

結果はどうであれ、よくやったなぁと、やり切った感でいっぱいでした。その後、私は別のコンサートの打ち合わせのため、一旦会場を離れました。私の父は、私たちの演奏もあったし、知り合いも他の団体で出ていたため、炎天下、聴きに来てくれました。そして発表まで残って、結果を聞いていてくれました。

新宿にいた私の元へ父からメールが届きました。『マーガレット賞受賞!』と。何とも嬉しい速報でした。入試に受かったけど、本当か信じられない子のように、メールを何度も見直しました(笑)。一つのご褒美が与えられたようで、本当に嬉しかったし泣けました!
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父撮影。誉れの瞬間。

うたうーまんのおかげで、久しぶりに忘れかけていた感覚を思い出させてもらいました。

「一生懸命がむしゃらに頑張る→良い結果を得る」

これって、やっぱり最高だなと思いました(笑)。
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うたうーまん事務局のメンバーとラムしゃぶ屋で慰労会。賞状と花束がまっぶし〜!

当日は、30度超えの真夏日でした。キラキラとした初夏の陽射しが、数ヶ月、熱く清々しい経験を共にした私たちに降り注いでくれました。うたうーまんの皆さん、ありがとうございました。


ボーナスショット
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初出場のうたうーまんは、母の日の朝日新聞全国版に大きく取り上げられました。これも素晴らしい思い出の一つです。
# by komaiyuriko | 2014-06-14 01:38

5月の終わりは我ながら頑張りました。自分で言っちゃった(笑)。

今年も新作歌曲発表のコンサートに関わらせて頂きました。
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尾高賞作曲家(三回目ですって!)の猿谷紀郎先生の新作です。去年、一昨年と歌わせて頂いていますが、先生の作品はなかなか手強いのです。先生が今頃作曲してるんじゃないかな〜という頃を見計らって(預言者か!)、メールを出すのです。『どうか先生、お手柔らかにm(_"_)m』と。

今まで、その願いは聞き入れられませんでした。今年もまた、コンサート前二週間を切った頃に楽譜が届いた、という点を除けば、願いはだいぶ聞き入れられたような気がします。もちろんスーパー難しいのですが、あの難しさに飼いならされてしまったのでしょうか…。今年は比較的ラクでした。は〜良かった!

素晴らしいピアニストの矢田さんと。
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この方のソルフェージュ能力は神業です。その上、音楽的。尊敬します。
そして猿谷紀郎先生と。
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そして翌日もコンサート。現代曲コンサートが終わり、翌朝早いから急いで帰らなきゃ、と想像しただけで楽屋でソワソワする私。結局、コンサート会場には盛大に忘れ物をして帰りました。大小合わせて3点の忘れ物。その内には携帯電話も含まれておりました。なんてバカな私。

そして12時間も経たないうちに超現代曲からバッハまで遡ります。この公演はバッハ協会の定期公演で、私はモーツァルトのグレートミサのソロを歌いました。そしてこちらでも大チョンボ。

終曲近くにある、ソリストによる大きな4重唱、ベネディクトゥスを演奏すると知ったのが二日前。だってー(言い訳始まります。)、マエストロが、ここカットって言ったような気がしたんだもん。もちろんマエストロはそんなことは言ってはいませんでした。別の部分のカットはありましたが。でも言ったような気がしたんだもん。二回目。

『えええーー、ここやるんですか?!』と一瞬暴れたものの、あとはもうさらうしかない。睡眠学習でよーくさらいました。
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もちろん本番は、凄まじい集中力で、なんなくクリア〜。相変わらずの楽天家です。

オケには、他のコンサートでよくご一緒させて頂いている演奏家さんたちが乗っていたので、それも嬉しく、楽屋でもとっても楽しく過ごしました。

このコンサートの翌日は、ナント、人生初の体験が待っていました。『指導者として合唱コンクールに出る!』の巻です。そちらの模様はまた次回。ごきげんよう、さようなら!
# by komaiyuriko | 2014-06-09 00:58

ザ・ビューティフル展

ザ・ビューティフル〜英国の唯美主義1860-1900〜が三菱一号館美術館で開催中です。
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5月6日までですから急いでください ε=ε=ε=┌( ̄^ ̄)┘

私はこの3月、有難いことに仕事が立て続き、身も心も喉もボロボロでした。そんな時に『そうだ、ザ・ビューティフルを観に行こう。』とJRのCMさながらに、稽古終わりに突然思い立って出かけたのでありました。仕事仲間には、よくこんなに大変な時に観に行ったね、と呆れられましたが、こんな時ほど、唯々美しいもので目と心を癒したいと思ったのでした。

それにしても、あの日は形容し難い強風でした。人と言うよりは疲れ切ったカッサカサの汚いスポンジのような私は、向かってくる強風に心が折れそうになりましたが、辿り着いた建物を見て心を奪われました。
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イギリスのジョサイア・コンドル設計の「クィーン・アン様式」の建物です。

建築オタクのくせに灯台下暗しです。建物の中の写真も撮りまくりたかったのですが、撮影禁止のパネルが。グスン。

古い慣習や決まり事から離れて、新しい美を求めたイギリスの若い芸術家たち。ロセッティやホイッスラー、レイトンらが中心となり、視覚的な悦びを重んじた唯美主義が起こります。

私はもともとロセッティが好きで、ロセッティと、これまた大好きなビアズリーをお目当てにしておりましたが、このエクスポジションを観に行ったお友達が「レイトン凄いから!」と教えてくれました。どれどれ、どこにレイトンさんの作品が?と探すまでもなく、凄まじいオーラの作品が!!

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レイトンの『母と子(さくらんぼ)』、『パヴォニア』、これらはとにかく必見です。質感がとにかく凄い。生々しいというか温度があるというか。掌にしっとりとした感覚が湧き上がってきます。

そしてロセッティもうっとりしながら執拗に眺め、ビアズリーもニヤニヤしながらジロジロ見ました(笑)。ほとんど変態だね。

ビアズリー&ワイルドのサロメは、私が初めてウィーンに行った22歳の頃、本屋さんで見つけました。自分のお土産に即購入。これは自分にとって宝物です。
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ちなみに、私の誕生日はワイルドと一緒です。やっぱりね。この嬉しい秘密を知った時、「ドリアン・グレイ〜!」と狂喜の叫び声をあげました。

どうでもいい話になってきたのでこの辺で。このゴールデンウィークで終わってしまう美の宮殿へ、皆様是非お出かけくださいませ!
# by komaiyuriko | 2014-05-03 23:18

20世紀のフランス音楽

さてさて(嬉々)、今年もまた、シビれるコンサートに参加させて頂きました!
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私のご尊敬申し上げる、フランス音楽&美術の生き字引でピアニストの鶴園紫磯子先生と、そのお仲間の先生方とのコンサート。ヴァイオリンの七島晶子先生、ピアニストのジャック・ゴーティエ氏、そして今年のゲストソリストは、クラリネット界のプリンス、フローラン・エオ氏です。

このコンサートは、20世紀のフランス音楽シリーズで、今回のタイトルは『1910年代、大戦期を生きた音楽家たち〜ストラヴィンスキー、プーランク、オーリック』。タイトルを見ただけで心も身体も震えます!

私はストラヴィンスキーの『3つの日本の叙情詩』、『兵士の物語』室内楽版の語り、そしてプーランクの『レオカディア』室内楽版で「愛の小径」を演奏させて頂きました。

フランスにいる時から、ストラヴィンスキーの日本の叙情詩を勉強したいと思っていました。でもなかなか手が出なかったのですよ。だってロシア語なんだもーん。フランス語で歌うこともしばしばのこの曲ですが、今回はストラヴィンスキーが頭の中で思い描いて曲をつけた、オリジナルの原語でやろう!ということになり、ロシア語版に決定。ロシア語のエキスパートの方3名に(分からない言語過ぎてソースは多い方が良いと考えました!)読みや意味を教えて頂き、ロシア人の方に詩を朗読して頂いた録音を聞きまくり、ようやく、歌えるかも♥️という淡い期待が楽譜から漂ってきたのが3月頃。遅っ。

鶴園先生は、フランス語で演奏した時の響きと全く違うとおっしゃっていました。聞こえてくる言葉によって印象は変わるものです。ストラヴィンスキーの頭の中に響いていた言葉と音楽は、訳詞ものとはやはり違うものでした。新しい発見。そしてもう一つの新発見。ストラヴィンスキーの無伴奏クラリネットの小品が、この曲ととてもリンクしているということ。今回はエオ氏が一曲ずつ交互に演奏しよう、と提案をしてくださり、そのように演奏。その効果たるや、絶大でした。
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そして『兵士の物語』。普通、室内楽版の場合は語りをつけません。ですから台本がないのです。今回、オケ版の楽譜にある登場人物四人版台本から、室内楽用一人語り版を作成しました。これは大プロジェクトだぞ〜と武者震いしていた私は、お正月から準備を開始。夏休みの宿題を8月31日の夜に泣きながらやった子とは思えません!
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楽譜の表紙もオリジナルで作ってしまう気合いの入れよう。

いらして頂いたお客様からは、語りが良かった、語りが良かったと言われ、なんだか自由研究で賞をとったような、そんな嬉し恥ずかしな気持ちでした(笑)。

レオカディアは、不勉強ながら今回初めて聴きました。楽譜は出版されていないとのこと。これも先生方が譜面作りから大変ご苦労されたと思います。でもちょっとしたセリフがあり、とっても楽しめました。劇音楽に相応しく、聴きやすく感情を煽るような素敵なメロディがたくさんありました。そして愛の小径を楽器伴奏で歌う幸せ。存分に楽しみました。
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前日の練習では、エオさんを中心に、大先生方がふざけあい、笑いの絶えない稽古場でした。やっぱりこの方たちも楽しくて楽しくて音楽をしているんだなーと感じました。嬉しくて、涙が出そうでした。

音楽をするということの真髄を、また改めて感じた、有難い本番となりました。音楽をしたいからやってるの、音楽をせずにはいられないから勉強するの、といった情熱の原動力を、懐かしさと共に思い出しました。
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ドイツ音楽の専門家で大学院時代からずーっとお世話になっている野村陽子先生と。先生に聞いて頂けて嬉しかった(T ^ T)

偉大でユーモアのある、素晴らしい共演者である音楽家の方に心から感謝いたします。ありがとうございました!
# by komaiyuriko | 2014-05-01 14:36