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クルトパ名古屋公演!

パリでクルト・パイユを結成し、精力的なコンサート活動を行ってから12年が経ちました。ここ3.4年ほどはそれぞれに忙しかったのと、体力が落ちてきたことからコンサート活動はお休みしておりました(笑)。が、もう干支一周したよ!とのことで、重たい腰を上げて(笑)、名古屋公演に踏み切りました。

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演目は我らの十八番、ラヴェル作曲『子供と魔法』です。今回はクルトパ以外の出演者は、ソリストもコーラスも、そしてピアノも指揮も名古屋の方にゲストに入って頂き、素敵な出会いや嬉しい再会などがありました。

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バリトンの近野さんとテノールの笠木さん。稽古日のこの日、笠木さんのお誕生日でした。

今回はコンサート形式で行われた『子供と魔法』ですが、クルトパなんだから普通に演奏するのはよくない、なにか馬鹿なことをやらなくては、とさーちゃんが言い出し、2人ともそりゃそーだ、となって、また訳のわからない仕込みを始めた3人。結果、お客様には大好評を頂きました。

それは、子供と魔法の絵本を作り、お客様に配ること、そして、絵本をめくるタイミングを演奏者が出すこと。それから、オペラの名シーンの前にシャッターチャンスが訪れる予告をすること、そして、今!という時にストップモーションにして、お客様に記念写真を撮って頂くことでした。
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お客様の参加型オペラになったわけですが、皆様思い切り参加してくださいました(笑)。ここ、絶対ふざけちゃいけない感動のシーン、というところで悪ふざけをするクルト・パイユ、健在です。
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お客様、一斉にシャッターを切ります(笑)。

また、クルトパ3人のご両親さまが勢ぞろいしたのも嬉しい再会でした。そういえば東京で公演する時も、三重からさーちゃんのご両親が、山形からまーちゃんのご両親が来てくださってたもんね。そして2人のご実家にも公演や稽古のためにお泊まりさせて頂いていましたし、その度に親切にして頂き、みんなお父さん、お母さんと呼び合っています。さーちゃん、まーちゃんの旦那さまも協力的で(というより、メンバー並みに働かされている!)、今は大きな家族になっています。有難いことだ〜。
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ホテルにてまーちゃん家族と。

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パリで出会ったキャオルと妹のキャナメちゃんも広島から来てくれました♡

今回は大宮から来てくれた両親と共に、名古屋から大阪への旅行を計画しました。大阪へ私の伯母のお墓参りに行くことが目的でした。おばちゃんは私を応援してくれてたからね。大阪でコンサートがあった時、恥ずかしげもなく、「ブラボー、ブラボー!」と叫んでくれたものでした。おばちゃんのお墓参りは初めてだったので、ここでもまた嬉しい再会となりました。
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大阪でベタなことをしまくる駒井家。

何より両親が元気なことだけが幸せです。どうかこの幸せがあと30年は続きますように(そしたら両親は105歳)!
# by komaiyuriko | 2016-10-01 12:50

Paul et...

学生時代、私を夢中にさせた詩人がいました。それはポール・ヴェルレーヌ。彼は自らのことを「土星人」と呼び(不幸な星のもとに生まれたという意味。のび太の常套句(笑)。)、繊細すぎる自分を呪っていました。しかしそれが詩人には絶対的に必要だとも分かっていて、そんな自分は生きるも死ぬも不幸せ、と語っています。

私もまた若かりし頃、自分をそんな風に感じていました。どうして今はこんななっちゃったんだろ(笑)。日々、誰も気に留めないような些細な事柄が身の周りに起こる度、ヴェルレーヌ詩集を必死にめくり、その時の自分を慰めてくれる詩を探したものです。

そんなわけで今でもヴェルレーヌは私の心の友であり、本当の友達だったら困る男なのです。

2009年に、ヴェルレーヌの試作をめぐる旅と題した舞台の台本を書き、サントリーホールでクルト・パイユとテノール歌手、俳優さん、ダンサー2人が必要な、自分的には大スペクタクルを上演しました。お客様への歴史的背景や人物相関、作風などのなんのガイドもなく、字幕もなく、自分だけが満足する舞台を作り上げました(笑)。その時のお客様の巨大なはてなマークと言ったら(汗)!

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あれから7年が経ち、ピアニストの市川さんからヴェルレーヌの歌芝居をやりたいとお話しを頂き、喜んでご一緒させて頂くことにしました。だってランボー役だって言うんだもん!大好きなランボー(シルベスタ・スタローンではない)。しかもヴェルレーヌは根岸さん、マチルドは森さんって言うじゃない!ピッタリ(笑)←失礼でもある。

とにかく準備は大変でしたが、今回は4人の力を合わせて(4人寄れば文殊の知恵で、選曲、台本から演出、舞台装置、照明まで、全てを手分けして、うまいこと適材適所出来たわけでした。)、お客様を置き去りにすることなく、ヴェルレーヌの素晴しさと脆さ、ランボーの天才っぷりと豪胆さ、そしてマチルドのおかげで生まれた珠玉の作品などなど余すところなく舞台化できたと思います。

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①舞台上にスクリーンを置き、こんな風にエピソードの題目も出したり、
②曲目や
③字幕もだして、
④たまに必要な知識も挟み込み、お客様へのガイドをつけました。ここ、大切(笑)。

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今回は劇中劇で雅なる宴のシーンがありました。雅なる宴関連の歌曲は山ほどありますから、素晴らしい曲を歌うことができて最高でした。

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マチルドとの束の間の幸せな時間

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ランボー現る

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酒と男色にまみれてついに

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発砲事件

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絶望するヴェルレーヌ

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そんなヴェルレーヌを捨てるマチルドとランボー

専門家の先生方にもお褒めの言葉を頂き、さらにヴェルレーヌのことをよく知らない方にも興味が出たやら、楽しかったやら、ヴェルレーヌやランボーの詩を読んでみたい等々のご感想を頂戴しました。
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森さんの師匠で二期会フランス歌曲研究会でお世話になっている後藤寿子先生と。厳しい先生ですからお会いする時はピリッとしますが、とても喜んで頂き、4人でホッとしました!

文学や音楽は人生を彩ってくれるどころか、窮地に立たされた際、命をも救ってくれるのです!これからも芸術に助けられてよちよち生きていきたいと思います。ご静聴ありがとうございました(笑)。
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終演後、ピアノと主催の市川さん、そしてフルーティストの坪井さんと。

# by komaiyuriko | 2016-09-26 17:40

終戦記念日の今日は、芹沢先生のメモリアルコンサートでした。生前先生は、今日のこのコンサートをもって、合唱団の指揮と指導に一区切りをつけるおつもりでいらっしゃいました。平和への願いは芹沢先生の一番大切な志でしたから、8月15日にコンサートを定められたのだなぁとまたしても先生の願いの強さに感服したところです。
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今年の合唱団の歌を聴くまで、この合唱団は音楽をするというよりは、みんなで気持ちを1つに、平和であることへの感謝と世界平和への希求のために歌っているのだなぁという印象でした。芹沢先生の指導はいつもそうでしたから。
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でも今年は見違えました。精神はそのままに、音楽力が格段にアップしている(笑)!ひとえに、先生の意志を継いだ鳴海さん(門下の最長老先輩)のおかげです。青森にお住まいながら、月イチのご指導。素晴らしいです。

門下の先輩で東京音大で教鞭をとっていらっしゃる五日市田鶴子先生の落葉松。ドラマティックなのに繊細。感動的でした。
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そして同じく東京音大の先生でもある野田ヒロ子さんのトスカ。今、日本で一番うまいんじゃないの?!そのテクニックと表現力に唖然とします。泣けてきます。この方が先輩であることが誇りです。震えるほど素晴らしかった。
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先輩方のコール・エトワールによる芹沢作品。楽屋では先生っぽいその曲の作りに皆でウケていましたが、爽やかな素敵な演奏でした。

私は最後に先生に見ていただいた曲を歌おうと思い、7.8年前の芹沢門下発表会で歌ったメシアンを選曲。あの時は間に合わず楽譜を見て歌いましたから、ようやく仕上がりました。何年かかってるのかしら…。
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この曲はキリストの復活を歌った曲です。キリストによって分け与えられたパンを食べた使徒たち。彼らはそのパンを口にし、その教えに目が開きます。私たちもまた、芹沢先生によって目を開かされた門弟ですから、そのような思いと共に歌いました。

楽屋には、先生の形見のお品を皆さまに、というコーナーがありました。楽譜や写真、ドレスやアクセサリーがわんさかありました。
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鳴海さんから、芹沢門下は最高だ、とメールを頂戴しました。全く本当です。今後も、見えない強い絆を感じて生きていきたいと思った有難い1日でした。
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# by komaiyuriko | 2016-08-15 23:40

今夏もまた広島に行き、演奏を通して平和を考える機会を頂きました。大音量の蟬時雨を聞きながら、71年前の夏に思いを馳せます。
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今年5月、現アメリカ大統領のオバマさんが広島に来てスピーチをしたことは、戦後の日本にとって何よりも大きなニュースだったと思います。スピーチを流すニュースを見ながら涙が止まらなかった。なぜなら、彼が日常愛を知っていたから。アメリカの大統領が日々の小さな愛の溢れる挨拶や、食事時の会話の慈しみ深さを知っていたから。それを一瞬にして奪われたことの悲劇の深さを知っていたから。ニュースを見て泣くなんて人生初めての体験!
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日本人は世界初の悲劇を前に耐え忍んで、闘い続け、こんなに発展させてきたのだなと、これまで日本を創ってきた先輩方への尊敬と感謝の念を強くせずにはいられません。

何度伺っても衝撃的な原爆資料館。
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子供には衝撃が強過ぎるから展示を辞めようと話題になった模型があります。何を言ってるんだ!目を背けたくなるような、恐怖で二度と目にしたくないような、こんなことが現実に起こったんだ、事実から目を背けるな、むしろ、目に焼きつけろ!と言い合いながら、友人と見学。怒りと悲しみで感情が揺さぶられ涙が出ることもしばしば。

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今まで余り心にとめなかったパネルがありました。原爆が投下され、75年は草木が生えないと言われた大地に、たったひと月後、真っ赤なカンナの花が咲いたのだそう。何という奇跡。何という希望。

土の力を信じよ、大地を讃えよ、と謳う大木惇夫の「大地讃頌」を思い出します。そして三枝ますみの書いた「黄色いカンナ」を思い出しました。

黄色いカンナはお庭のあかり
ほっかりやさしい花あかり
そこからひぐれがひろがると
私もやさしくなるのです

お庭に花が咲いた、あぁ、夕焼けだ、綺麗な空の色、夕暮れ時のこの匂い、心が緩和し、優しくなれる ーこんな気持ちが世界中に広がればいいのに。人々が小さな小さな幸せを感じられるカンナの花を、どうか世界中に咲かせてください。

戦争は地球上からなくならない。でもどんな人も、差はあれ日常愛を知っている。それでも残念なことに怒りの方が強いエネルギーを持っている。文化のあるところに争いは起こらない。でも貧困の厳しいところには文化は届かない。誰か、本当の平和を発明してください。
「過ちは二度と繰り返しませぬから」
この我々の応えの句が、虚しく広島の夜の空に消えていきます。
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# by komaiyuriko | 2016-08-03 23:29

黎明は広がり

今日は7月17日、芹沢文子先生の一周忌でした。
先生の妹さんのご厚意により、先生に所縁のある方の集まりに参加させて頂くことができました。
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このブログも喪が明けます。
Puisque l'aube grandit, puisque voici l'aurore
実際、喪のつもりで更新しなかったわけではありませんでしたが、なんだか先生が亡くなるという嘘みたいなことが起こったのち、パッタリとブログを書く気が無くなってしまっていたのでした。思えば、このブログを始めたのもパリ留学中。両親と先生に私は元気です、ということを伝えるために始めたようなものでした。今日、妹さんから「お部屋を掃除していたら、駒井さんからの絵葉書がたくさん出てきたのよ。こんなに熱心にパリから書いてくださったんだなと感心しちゃって。そしていつも文子先生は駒井さんのコンサートに出掛ける時は、鼻高々で、わざわざ宣言して自慢気に出て行きましたよ。」とお言葉をかけて頂きました。感激で体が震えました。

あれから私にとっては大変なコンサートが続きました。東京文化会館でのリサイタル、サントリーホールで木下牧子さんをお呼びしての《蜘蛛の糸》、そして昨日、リリアでのハイドンのオラトリオ《四季》。その他色々あるコンサートの準備と共に迎えるこれら3つは、到底自分にはできるような気がしなく、ネガティヴなことばかり考えてしまう傾向にありました。それでも全てを無事に終え、そして今となっては自分の血となり肉となり、良い思い出と素晴らしい経験になっている……。そりゃそうです。芹沢先生のご加護があるんだから!

いつもそれに気がついていれば、安心してその日を迎えられるのに!鬱々と暗いトンネルを進み、やっと光射す下界へと出られます。その連続。もう、取り越し苦労(笑)!芹沢先生の名言「一寸先は光」。そうでした、そうでした。

それでも、いつもながらのその作業があっての娑婆ですからね。昨日の《四季》での言葉は、これを歌わせて頂いていることへのご縁と奇跡に感謝するしかありませんでした。

<シモン>
そして大いなる朝がやってくる
苦痛と死から解き放ち
新しい生へと我らを呼び覚ます

<ルーカス、シモン>
天の門が開き
聖なる山が現れる
神の天幕が頂きをかざり
安らぎと平安が座している

<合唱>
この門を行くのは誰か?

<ハンネ、ルーカス、シモン>
悪行をさけ、善を行った者が

<合唱>
この山を昇るのは誰か?

<ハンネ、ルーカス、シモン>
真実のみを語った者が

<合唱>
この天幕に住まうのは誰か?

<ハンネ、ルーカス、シモン>
貧しき者、悩める者を救った者が

<合唱>
ここに平安を授かるのは誰か

<ハンネ、ルーカス、シモン>
罪なき人を護り、義とした者が

<合唱>
おお見よ、大いなる朝がくる
おお見よ、もう輝いている
過ぎさったのだ、苦しみの日々は
永遠の春が君臨し、限りない至福が
正しき者への報酬となるであろう

<ハンネ、ルーカス、シモン>
我らにもいつか、その報酬がありますように! さあ働こう、勤めよう!

<合唱>
我らは辿り着く、神の国の栄光へ
アーメン!
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先生の一周忌に迎えるに当たり、何てぴったりな有難い言葉であろうか。先生はこういうことを私に教えてくださったのだから。

さぁさぁ、勤勉だ!勤労だ!
そして素晴らしい宝を手に入れよう!

《まことに人生、一瞬の夢
ゴム風船の、美しさかな。》

私を支えて下さる全ての方への感謝を忘れずに、良い事も悪い事も、起こる全ての物事に感謝し、希望を持って今日からまた新たに生きていきます。ありがとうございます(シャウト)!

# by komaiyuriko | 2016-07-17 23:17