前日の四川料理でお腹を壊し、万博に行けなくなってしまった私。またもやさーちゃんもそれに付き合ってくれました。さーちゃーん、私のせいで2度の万博チャンスを逃してしまいごめんねー(泣)!
午前中は腹痛のためホテルで休憩。私がおトイレにこもっている間、さーちゃんはバーチャル万博(万博の情報誌をみて、行った気になるごっこ)をして楽しんでおられました。そして大分良くなった頃、「海外に来てやらねばならないことベスト3」には常に入ってくる人気項目、「スーパーへ行こう!」が決行となったのでした。
フランス系大型スーパーのカルフールにお出かけしました。
朝から何も食べていない私たちは、スーパーの目の前にある簡易食堂を利用することに。


これまた本当に美味しかった。「ファーストフード中華でも美味しいね〜」と感心する私たち。
その後スーパーでお買いもの。夢中になって徘徊したので、一度ホテルで疲れを癒します。その後向かった先は「静安寺」というキンピカのお寺。私は中国に行ったらお寺に行ってみたいと思っていたのでした。このお寺には白檀の巨大観音様がいらっしゃると、2日目にフランス語の先生から伺っていたのです。ではタクシーに乗ってアロンジィー。ハオチー(中国語で美味しい!の意)。韻を踏んでみた。


観光ではなく、お参りに来ている中国人の方が多くいました。
こちらが噂の観音様

それもそのはず、周りには金色の飾りが敷き詰められていました。マタイの弦のように、後光が差して見えます。(バッハのマタイ受難曲では、イエスが登場すると弦楽器が薄くハーモニーを奏でます。それはイエスの後光を象徴しているのです。一言音楽コメント)
そしてサービスショットはパリの中華街でよく見かける、「ジョワイユー・ブッダ(喜びのブッダ)」。

さて、腹痛のせいでもう夕方です(笑)。笑い事じゃない。
今日もいとこ家族が食事に誘ってくれているのです。なんだか申し訳ないなぁ。時間を使わせちゃって。しかも私が「まだ上海の夜景を見たことない」なんて我がまま言うものだから、外灘(ワイタン)と言って、上海の夜景といえばココ!という景色が見える個室レストランを予約してくださいました(涙)。
私とさーちゃんは、こんなにも毎日毎日親切にして下さったいとこ家族に記念になるようなプレゼントをしたいと思っていました。それがコチラ。

この場所を取る、ハタ迷惑なプレゼントを2人の可愛い子供さんたちは喜んでくれました。次から究極に可愛い写真が並びますよ〜。




またお料理がすごいの!ゴージャスです。

外はだんだん暗くなってきました。街がライトアップされると、こんな感じになりました!


私の顔の大きさほどあります。ま、言いすぎだね。でも拳よりは断然大きいです。こんなに美味しいゴマ団子は食べたことがありません。今思い出しても食べたい衝動に駆られます…。
では見事な夜景と共に記念撮影。

上海でいとこ家族にお会いするのは今晩が最後だなと思うと寂しさを覚えました。浦東(プードン)の景色にもさよならを言って最後にまたみんなで記念撮影。

翌日はもう帰国日です。その前に一仕事待っています。万博内のアジアスクエアという特設会場での第九演奏です。
日本らしいものを着てほしいとのお申し出に、日本側は浴衣を着ることになったそうです。我らソリストは、主催である瀬戸市のハッピを着ることになりました。

舞台はこんな感じ。リハーサル中から大勢のお客様がいらっしゃいました。


なんと園子さんがいらして下さいました!!炎天下の中、ずっと立って演奏を聴いて下さいました。コンサートは続いていましたが、第九が終わるなり、園子さんのもとへ!

コンサートが終わるや否や、飛行機の時間に間に合わないとのことで、帰途につかねばなりませんでした。園子さんにはこの一週間本当にお世話になりました。別れ際の悲しかったことと言ったら!
そしてあっという間に成田に着いたのでした。
まるで夢を見ていたような気分です。
私が今サントリーホール公演のために用意している曲はラヴェルの「シェエラザード」という曲です。その1曲目、「アジア」という曲があります。未踏の地であるアジアへ、激しい憧れを抱き夢想するお話です。その中で中国を歌うシーンに
「私は魅惑の宮殿に長居したい。そしてうっとりと心行くまで眺めたい、樅の木の額縁に飾られた布地の絵、果樹園の真ん中に一人の異邦人が描かれた風景を。」
という歌詞が出てきます。お茶の先生のサロンでゆっくりしている時、まさにこの言葉が浮かびました。そして色々な中国の風景を見て、私は自身をその布地に描かれている一人の異邦人のように感じました。中国人のパワーと、文化、文明、歴史の素晴らしさを肌で感じた一週間でした。
ちなみに、その「アジア」という曲の最後の節はこちら。
「そして私は帰還の後に、夢追い人たちに私の冒険物語を語るのだ。
シンドバッドのように、古いアラブのカップを時々口に運んで、見事に話を途切れさせながら…」
私も上手に上海での出来事をお話できたかしら(笑)。