黎明は広がり
2016年 07月 17日先生の妹さんのご厚意により、先生に所縁のある方の集まりに参加させて頂くことができました。

このブログも喪が明けます。
Puisque l'aube grandit, puisque voici l'aurore
実際、喪のつもりで更新しなかったわけではありませんでしたが、なんだか先生が亡くなるという嘘みたいなことが起こったのち、パッタリとブログを書く気が無くなってしまっていたのでした。思えば、このブログを始めたのもパリ留学中。両親と先生に私は元気です、ということを伝えるために始めたようなものでした。今日、妹さんから「お部屋を掃除していたら、駒井さんからの絵葉書がたくさん出てきたのよ。こんなに熱心にパリから書いてくださったんだなと感心しちゃって。そしていつも文子先生は駒井さんのコンサートに出掛ける時は、鼻高々で、わざわざ宣言して自慢気に出て行きましたよ。」とお言葉をかけて頂きました。感激で体が震えました。
あれから私にとっては大変なコンサートが続きました。東京文化会館でのリサイタル、サントリーホールで木下牧子さんをお呼びしての《蜘蛛の糸》、そして昨日、リリアでのハイドンのオラトリオ《四季》。その他色々あるコンサートの準備と共に迎えるこれら3つは、到底自分にはできるような気がしなく、ネガティヴなことばかり考えてしまう傾向にありました。それでも全てを無事に終え、そして今となっては自分の血となり肉となり、良い思い出と素晴らしい経験になっている……。そりゃそうです。芹沢先生のご加護があるんだから!
いつもそれに気がついていれば、安心してその日を迎えられるのに!鬱々と暗いトンネルを進み、やっと光射す下界へと出られます。その連続。もう、取り越し苦労(笑)!芹沢先生の名言「一寸先は光」。そうでした、そうでした。
それでも、いつもながらのその作業があっての娑婆ですからね。昨日の《四季》での言葉は、これを歌わせて頂いていることへのご縁と奇跡に感謝するしかありませんでした。
<シモン>
そして大いなる朝がやってくる
苦痛と死から解き放ち
新しい生へと我らを呼び覚ます
<ルーカス、シモン>
天の門が開き
聖なる山が現れる
神の天幕が頂きをかざり
安らぎと平安が座している
<合唱>
この門を行くのは誰か?
<ハンネ、ルーカス、シモン>
悪行をさけ、善を行った者が
<合唱>
この山を昇るのは誰か?
<ハンネ、ルーカス、シモン>
真実のみを語った者が
<合唱>
この天幕に住まうのは誰か?
<ハンネ、ルーカス、シモン>
貧しき者、悩める者を救った者が
<合唱>
ここに平安を授かるのは誰か
<ハンネ、ルーカス、シモン>
罪なき人を護り、義とした者が
<合唱>
おお見よ、大いなる朝がくる
おお見よ、もう輝いている
過ぎさったのだ、苦しみの日々は
永遠の春が君臨し、限りない至福が
正しき者への報酬となるであろう
<ハンネ、ルーカス、シモン>
我らにもいつか、その報酬がありますように! さあ働こう、勤めよう!
<合唱>
我らは辿り着く、神の国の栄光へ
アーメン!

先生の一周忌に迎えるに当たり、何てぴったりな有難い言葉であろうか。先生はこういうことを私に教えてくださったのだから。
さぁさぁ、勤勉だ!勤労だ!
そして素晴らしい宝を手に入れよう!
《まことに人生、一瞬の夢
ゴム風船の、美しさかな。》
私を支えて下さる全ての方への感謝を忘れずに、良い事も悪い事も、起こる全ての物事に感謝し、希望を持って今日からまた新たに生きていきます。ありがとうございます(シャウト)!