イマジネーションの森へようこそ
2012年 05月 24日実は私もつい最近、胸躍らせる面白い曲に出会ったのですよ、ふふふ。
パリでは『私、現代曲歌いかしら?』と思うほど、現代曲のコンサートに出演いたしました。帰国後、超現代曲のお仕事を頂きましたが、椎間板ヘルニアの手術により、クルトパまーちゃんに代役を頼み断念したことがあります。
あれから三年が経ち、何とまた現代曲を歌うチャンスに遭遇しました!それも本番の二週間前。燃えてきたぜぃ。
猿谷紀郎さん作曲、李承淳さん作詞の「エレベーターの前で」という曲の楽譜が送られてきました。現代曲の譜面を始めて見る時の、ドキドキワクワク感と言ったら!恐怖80%、期待20%の黄金率です。
今回の曲はチラリと楽譜を見ただけですぐにお引き受けすることを決めました。即決。だって期待90%、恐怖10%だったんだもん(先ほどから要らぬパーセンテージ)。
詩を読んで、その世界観に引き込まれ共感すると共に、緊張感や臨場感が肌にビリビリ伝わってきます。楽譜面を見ると、どうやらピアノは普通には弾きません。グランドの弦をマレット(マリンバなどを演奏する棒)で擦ったりするようです。
は~、なるほど、この詩にまとわりつく、じっとりと汗をかくような緊張感と、エレベーターの空気摩擦のような音のドゥブルサンスとしてこういう“音”を求めてるんだなー、なんて想像しながら譜面を見るのは何て楽しい時間でしょう!
最初のピアニストさんとの合わせの日、こんなに楽観視しているのは歌い手の私だけだと気づきました(笑)。ピアノパートの超絶技巧っぷりに、さすがのアタシも空いた口が塞がりませんでした。
ピアノの弦の部分やフレームをマレットで叩いたり擦ったりするのですが、弦の部分には音への手がかりがありません。そこに気付かなかった私。なんて浅はかなんでしょう!きっと鍵盤なら目をつぶってでも弾けるでしょう。でも弦の部分だけを見て、ただでさえ難しい音とリズムを演奏するのは至難の技です。もちろんずっと立ったまま。まるで打楽器奏者が新しい楽器に挑んでいるようです!
怖いもの見たさで、まずいきなり通すことにしました(笑)。終わるや否や、私は感嘆でピアニストさんへの拍手喝采を惜しみませんでした!めちゃくちゃかっこいいです。でもご本人は消耗しきってヌケガラのようになっていらっしゃいました。可哀想。。。
それでもやっぱり現代曲ってカッコいい!想像もつかないような奏法や音程感覚によって新しい様々なものが見えてきます。それはイマジネーションの森と言っても過言ではありません。
というわけで、新しいもの好きな方、何にでもご興味のある方はどうぞいらしてくださいませ。

このコンサートで超現代曲を演奏するのはどうやら我らだけのようです。
他の作品は新作を含め、聴きやすそうな曲が並ぶようですので、恐ろしがらずにどうぞいらしてくださいね(笑)。
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by komaiyuriko
| 2012-05-24 00:53
| コンサート