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東京・歯医者さん物語 ~第一回~

最近、素晴らしい歯医者さんに通っています。私は小さい頃から歯医者さんが大の苦手。だって怖いし痛いでしょ。極力行きたくないお医者さんです。

そんな私がパリ時代、数回歯医者さんに行く羽目になってしまいました。親不知が顔を出しつつ炎症してしまったのです。痛みを堪えて一週間後に近所の歯医者さんに行くと(パリは病院が全て予約制なので、痛いときにすぐには行けません)、うちでは手に負えないから外科歯科医を紹介すると言われ、その紙をもってまた一週間後に外科歯科医まで行き、その二週間後位にようやく抜いてもらえました。

その病院の待合室で、血だらけのタオルを顔に寄せてすすり泣くご婦人をお見かけした時には、本気で帰ろうとしました。

またある時は、パリの口腔外科に行くことになり、ガサツな女医さんが口中に鏡を駆け巡らせ、それだけでお口は血祭り、挙げ句の果てに、口内に残った歯を削ったジャリジャリを「はい、飲み込んで!」と、恐怖の一言。うがい台もあるのに“飲み込んで”発言。もう意味不明です。

そんなホラー体験を積んできたために、歯医者さんは恐ろしい所だと刷り込まれているのです。
自然な流れです(笑)。

二、三ヶ月前、こっそり歯が痛いなと感じておりました。難しいドビュッシーの曲をさらっていたら、歯が痛み始めたのです(笑)。凄い言いがかり。そのことを友人に何気なくお話すると、「美術館のように素敵な歯医者さんがあるよ!」との吉報を頂きました。彼女に紹介して頂き、ついに観念して日本橋にあります歯医者さんへ行くことになりました。

「○○美術館」と書いてないことが不思議なくらいの出で立ちでした。中に入ると素敵な壁画バックに笑顔の受付のお姉さんたちがいらっしゃいます。まるでニンフです。そして奥に鎮座されておりましたのが美しい古楽器(クラヴィコードの系統でチェンバロのような美しい姿と装飾、絵が描かれております)。受付の木のカウンターは、私がバーでも開いたら何がなんでも欲しいくらいの立派で重厚な一枚板。その他美しい装丁の本や美術品などに目を奪われていましたが、ここは歯医者さん。私の恐怖心とドキドキは止みません。

受付のお姉さんが、「まず最初にお熱を計って下さいね。」と言います。私ったらビビり過ぎて38°を叩き出してしまいました。「あら~、お熱出ちゃいましたか(笑)!」とお姉さん。その後血圧を測りますが、そこでも歯科助手のお姉さんが「こんなに高いわけないわね、それじゃちょっとリラックスしましょうか!」と言って測り直し。診察前からお姉さんたちの失笑を欲しいままにしてしまうのでした。

ついに診察室に入ると、これまた素敵なお部屋になっています。全てが個室。恐怖の椅子に座り、寝かされると、今度は見事な天井画に驚かされます。

“優しい”を絵に書いたような先生が現れ、園児を扱うように治療して下さいます。
もう一生この先生じゃなきゃ嫌だー!と毎回心の内で叫んでいます。

ちなみにこの歯医者さんの院長先生はクラシックフリークのようで、音楽の話をされに、私を見かけると治療室までお顔を出して下さいます。相当お詳しく、お話も楽しい、さらに名盤のCDも貸して下さいます。でも大抵先生がいらっしゃるのは、私が口を開いての治療中だったり、綿や型を噛んでの待機中にいらっしゃるので、ほとんど「あー、うー。」としか返事ができません(笑)。

このような甘やかされた環境の中で、ようやくきちんと通うことができています。

もちろん、気もそぞろなのは変わりありません。毎度メガネを忘れて診察室をでてしまう始末。見えてないのに気づかないのかねぇ。病院を出るとご褒美に目の前にありますイリーカフェで一休みしてから帰ります。
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気がそわそわしているもので、何も考えずにいつも「ソイラテください。」というようにしています。

そんな優雅な歯医者さん生活が始まって数ヶ月。
ついに最後に残しておいた大仕事、インプラントが行われるのです!

つづく(笑)。

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by komaiyuriko | 2012-04-15 17:02 | 徒然なるままに