スターバト・マーテル満員御礼
2012年 02月 28日
率直に申し上げて、『長い音符での二度の重なり合いが胸に響く、緊張緩和の醍醐味みたいなこの曲を、音の伸びない楽器で演奏したらどうなっちゃうの〜?!』と最初は多少心配に思いました。
でもそれは私の杞憂に終わったのです。
素晴らしいマンドリンオーケストラというのは、どんな曲を演奏しても遜色ないのだなと感じました。遜色ないなんてむしろ失礼なくらい!柔らかくて気品のある音色。そして音量的にも歌手に大変優しい楽器だったのです。お互いに思いやりが持て、真心で音楽的コミュニケーションのできる、素晴らしい楽器だと思いました。
思い起こせば二ヶ月前。マンドリンオーケストラ“アンサンブル・マーレ”から湯河原で合宿をすることになったので来て下さいな、との楽しげなお誘いがありました。


美味しいお料理、見事な温泉、そして見事な皆既月食(笑)。







音楽はアンサンブルだ、アンサンブルはコミュニケーションだ、と常々思っておりますから、その点ではとても良い信頼関係が持てたことに感謝しています。
会場はまさに満員のお客様。一例目だって目白押しです。「スターバト・マーテル」で満員というコンサートは初めてです(笑)。
でもねー、この曲、実は私にとって記念碑的な作品なのですよ。中学生の時に、翌年通うことになる音大附属高校の定期演奏会で聞いたのが初めてで、その時の感激、打ち震えるような感動は忘れられません。
高校生になって数回、その「スターバト・マーテル」のソリストをさせて頂きました。またパリにいる時も、《カトリックとプロテスタントの音楽的交流》的なコンサートやその他の教会で何度か歌わせて頂きました。
その度に、なんて素晴らしい曲なんだと心底感動します。ひとつも退屈なところのない、完璧な曲だと思います。全てが研ぎ澄まされていて、余計なところも全くなく、足りないところもありません。演奏していて緊張を緩めるところはありませんが、終わった時には大変な充実感を味わえます。オペラ『奥様女中』を書いた人とは思えません。内緒(笑)。ペルゴレージ万歳です。
私にとって大切なこの曲を満員のお客様の前で歌わせて頂いた、最高に有難い本番でした。
そういえば、(そういえばっていうのもなんだけど)アンコールでは涙を流すお客様の多かったこと!カバンからハンカチやティッシュを取り出す方もちらほら。音楽の力にこちらが胸を打たれた、そんな感動的なコンサートでした。
打ち上げではこんな素敵なサプライズも!


いつかまた共演したいなと、夢が一つ増えました。
マーレの皆様、どうもありがとうございました!
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by komaiyuriko
| 2012-02-28 23:18
| コンサート