年の瀬に「サルトルとボーヴォワール」
2011年 12月 30日年末のカタルシス的な雰囲気が何となく好きですが、新年の厳かなリセット感が苦手で、今から想像しては辟易しています。意味もなく盛り上がりたそうな、そんな年末の空気を感じながら渋谷のユーロスペースに「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛」を観に行きました。
「面倒な実存主義でもちょっと学ぶか!」という安易な気持ちで出かけました。以前観て大変オススメだった「シャネルとストラヴィンスキー」でシャネル役だったアナ・ムグラリスがボーヴォワール役というのも興味を惹きます。
実際は実存主義がどうこうという事よりも、2人の会話を聞きながら彼らの理想や哲学を実践しようとする様が中心に描かれたもっともっと興味深い映画でした。時代の寵児となった2人の、人生に、時代に、家族に、愛に、真剣に立ち向かっていく荒々しい生き様がとても痛々しく、栄光の陰にある身を削るような哲学への挑戦、苦悩、苦悶を見たような気がしました。
様々な場面で自らの人生を顧みる機会があり、「私はこうだったからあれでよかったんだ」と思ってみたり、「こんなふうにすればよかったのか」と思ってみたり、「実践してみるか」と思ったり「それはないな」と思ってみたりと、自分の人生にリンクするイデアや理念みたいなものが散りばめられており(というより渦巻いており)、大変面白い映画でした。
上映期間が短い上に、東京でも渋谷ユーロスペースのみの上映。劇場も小さいですが、空いていますので(笑)、興味がある方は是非。なんとなく興味のある方は通りがかったら観てくださいな。ま、通りがかるような場所じゃないけどね(汗)。
映画を観た後、映画館前の山を登り「名曲喫茶ライオン」へ。
そこで巨大スピーカー(まるでパイプオルガン)から流れる室内楽でも聞きながらサルトルとボーヴォワールの台詞を反芻し、ふ~ん、と思ってみるのが良いでしょう。やってみて!
今年も応援していただきありがとうございました。
来年もどうぞご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
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