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科学イヴェントへGO!

突然秋になりましたね。残暑の最後の日、東京大学へ「クリスマス・レクチャー」という科学イヴェントを見に行って参りました!
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私のようなド理科音痴が何故、科学イヴェントに行ったか謎でしょう?
実は、いつもコンサートでお世話になっている牧菜さんという方は理学博士で、理科畑の人なのです。「理系なお姉さんは苦手ですか?」という本にも登場されているバリバリの理系女子。私の周りにいなかったタイプです(笑)。その彼女が大きく関わっているイヴェントがその「クリスマス・レクチャー」。有り難いことに招待状を頂いたので、「多分話の半分以上分からないんだろうな~」と思いつつ出かけました。

このレクチャー、イギリスでは180年も続いているクリスマス恒例のテレビ番組のようで、日本でも毎年夏に同じものを開催しているそうです。各分野の専門家が子供を対象にレクチャーを行うのだそう。今年のテーマは「材料科学」ですって。はい、もう落ちこぼれた(汗)。

会場は東大の安田講堂です。
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この歴史的建造物に入れただけでも建築フェチの私はうれしくなっちゃう。
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さ、いよいよ開演時刻です。
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講師の方と本番前の最終チェックをしあう牧菜さん。英語で仕事をしているなんてかっけ~。

そして会場にはなんと、ウィーンのソプラノのぞちゃんの妹、みゆちゃんとその息子たち、はゆくん、みおくんの姿があるではないか!!さすが、超優秀理系カップルの子供たち。きっと小2のはゆくんの方が私より内容を理解するはずです。
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レクチャーの内容は理科嫌いの私にも大変興味深いものでした。まず楽しい実験の連続で飽きさせない、そして会場ボランティアといって、会場に来たお客さんの子供たちを実験にどんどん使い、ステージにあげるのです。観客一体型のショーのような感じ。はゆくんもボランティアに選ばれてステージに登り、マジックテープ素材についてのシーンで大活躍しました。

世の中には色々な材料、素材があるんだな、それはまた同じ素材でも大きさによって性質が違ってくるのだな、そしてそれが日進月歩の世の中を支えているんだな、と生まれて初めて気づき、感心しました。そういうこと、なーんにも考えていないからね、普段。チョコレートがお口で美味しく溶けるのは何故か、宇宙までのエスカレーターを作るとしたらどういう素材でどういう構造をしていたらいいか、なんていう夢のある話題で興味をそらせませんでした。

第1部はミクロの世界、第2部は宇宙の世界となっており、ずいぶん長いレクチャーでした。それでも集まった子供たちは真剣に聞いていた様子でした。私、大人ですが結構いい勉強になりました。ちょっと難しかったくらい(笑)。帰り際には、実験で使ったチョコレートが全員におみやげとして配られるという、にくい演出付き。
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レクチャーの1部の最後に、講師の花柄シャツの教授がまとめに話したことがあります。「現在は色々な材料が生まれている。例えば携帯電話を落として画面が割れてしまったとする、でもそれが生き物のように自然に治癒する素材、自ら修復してくれる素材ができてくる。」と。ちょっと滑稽な話に感じられて、もしそんなことが本当に起こったら怖いよ~と失笑混じりに聞いていました。すると、花柄先生は言います。「こんなことちょっと奇妙な感じがする?でもこれは本当は一番自然なことなんだよ。森をみてごらん。そこにある全てのものが傷つけば自然に治癒する能力を持っているじゃないか。森の生活のように自己修復する世界、それが目指している世界なんだ。」と。
それを聞いて私ったらなんだか感動してしまいました。

科学ってなんだか最先端すぎて私のような凡人には分からないことを研究し、そしてその研究がどんどん進んで、実際、人間の世界を本当の意味で豊かにしているのだろうか、もちろん便利にしているだろうし、その技術のおかげで命の助かる人や役に立つことがいっぱいあるだろう、でも最後は人間がその使い方を失敗したり間違ったりして地球を滅ぼすんじゃないか、と音楽畑の私は恐れてしまうのです。でも本当の最先端の研究とは自然を模倣している、自然をお手本にしているのかと思った時、涙がこぼれそうでした。こういう科学の最先端の人が、とても人間的でゲーテじゃないけど「善き行い」の為に人生をかけているんだと思うと感激でした。

話は飛びますが、私が帰国直前にバルセロナまでガウディの建築巡り旅行に行ったときのこと。
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サグラダ・ファミリアの内装はまだまだ大々的に工事中で、「よくこれで拝観料取るよな(苦笑)」というほど、内側は工事現場そのものでした。
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つい最近、内装が完成したようですね。ガウディが求めたものも自然でした。従来の教会の建築ではあり得ない、自然を模したグロテスクな位の柱たち。そこには森の木立そのままがある、という構想だったようです。テレビで見た内装はまさにそんな感じでした。バルセロナの街に大きな、いつまでもいつまでも未完成の森があるというのは何て素敵なことでしょう。未来にはパイプオルガンや鐘が付き、その大きな森は大きな楽器になるそうです。

クリスマス・レクチャーを聞いて、そんなことを思い出しました。

私にとって大変有意義な異文化コミュニケーションを体感した一日となりました。
牧菜さん、どうもありがとう&お疲れさまでした!

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by komaiyuriko | 2011-09-30 00:56 | 文化・芸術