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立原道造の詩による歌曲集コンサート

姿を見せずに薫ってくる金木犀の季節がやってきました。
こんばんは、ユリです。風の見えるこの時期は私の一番好きな季節。

そんな今週9日(土)に、表参道カワイコンサートサロンパウゼで「立原道造の詩による歌曲集」のコンサートがあります。作曲家の加藤邦宏さんの作品コンサートです。

加藤さんの歌曲集「優しき歌」は、立原道造の白鳥の歌である詩集「優しき歌Ⅱ」全てと、さらに「暁と夕の詩」、「ソネット集」から2篇を抜粋し追加した、全13曲から出来ています。編成はソプラノ+7重奏の超豪華版。今回、そのソプラノを歌わせて頂きます。感覚としては、ほとんど室内オケです!
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夏のある日、立原道造記念館を訪れました。
あの日から、私は道造の繊細ではかなげな言葉にとらわれていました。そしてその時代の同じような境遇の他の詩人や作家の作品も思いつくままに読みました。共通して流れているのは(愛する人や試作に対する)真摯な愛、美しい愛といったところでしょうか。-何を読んだと書いていないので頷けないでしょうが(笑)-その時代の言葉遣いや社会と個人の関係、家族関係などの風潮ももちろん影響しているのでしょうけれど、やっぱり現代に失われつつある「純粋さ」というものを感じずにはいられません。

「ピュレテ(純粋さ)」が今回の私のテーマです(笑)。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、私のヴェルレーヌ(!)も同じく「優しき歌」という詩集を書き、フォレが歌曲集を作曲しています。

ヴェルレーヌが彼の妻となるマチルドに宛てた恋文詩集「優しき歌」。それは天才詩人ランボーの出現によって、あたかも一時的な優しさ(愛情)に過ぎなかったかのように映ってしまいますが、その易しい詩に込められた優しさは、いつの時代も色褪せることなく今も輝きを放っています。そしてフォレもまた、愛する人への情熱をヴェルレーヌの言葉を借りて素晴らしい音楽を作りました。

道造は、これら2人の「優しき歌」を知っていたようです。そしてその反語として自分の「優しき歌」を作ったようです。


さえぎるもののない 光りの中で
おまへは 僕は生きてゐる
ここがすべてだ!…僕らのせまい身のまはりに


立原道造「優しき歌」より “また昼に”(抜粋)


突然ですが、思い出しクルトパ小話を一つ。
大学院生の頃、まだあまり親しくなかったまーちゃんが、修士で柴田南雄の歌曲集「優しき歌」を演奏することに決まったらしく、院生控室と呼ばれる勉強部屋にいた私のところへやってきました。そしてその頃は大変真面目だった私にこう言ったのです。

「フランスものに「優しき歌」というのがあるらしいのですが、それについて何か教えてくださーい!」

『……。なんて自由な人なんだ。』
と思ったのが忘れられません(笑)。
自分で調べる前に人に聞く自由さ!そしてその大雑把な質問。

確か控室のニューグローブ(音楽辞典)を出しながら、ヴェルレーヌとフォレの話をしたはずです。あの光景を今も昨日のことのように思い出します。もう今は昔の話。

10月9日(土)19時開演
カワイコンサートサロン パウゼ
加藤邦宏作品発表
「立原道造による歌曲集~優しき歌~」
前売:2000円 当日:2500円

チケット僅少のようです。
美しい詩と精神の純粋さを求めに是非いらして下さい!

私の内にある、人には見えづらい“純粋”さを最大限、誠実に表現したいと思います(笑)。

では~!
by komaiyuriko | 2010-10-07 22:03 | コンサート