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立秋とは名ばかりの、照りつける太陽の下、世田谷美術館へ行って参りました。ピアニストでフランス音楽&西洋美術の研究家でもある《鶴園紫磯子先生と行く、ボストン美術館 ジャポニスム展》に参加したのでした。
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鶴園先生は特にジャポニスムの専門家。今回もまた興味深いお話をたくさんしてくださいました。

ところで、私はこの世田谷美術館に割と行く機会が多いのです。趣味が合うのかも。なんちゃって。砧公園の中にある素晴らしい環境。でも如何せん、行きづらいのです…。よっぽどリゾルートな決意を持たせる展示会でもない限り、心がモレンドしてしまいます。そして毎回、拝観した後にアンケートをしたためるわけです。「駅から美術館までの無料バス(無料ってところが図々しい)を出して下さい。観覧者も増えると思います。(←余計なお世話。)」と。

何と今回、駅から美術館までの100円バスが初登場しました!
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これは快挙です。力の入れ具合が感じられます。今回に限らず今後も続けて欲しいです。

バス停を降りたら公園内の並木道をまっすぐ進みます。この時の蝉しぐれと言ったら!
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日本の夏だなぁと思わせてくれます。隣の人の話し声が聞こえないほど、力の限り鳴いていました。

この展示会は、ボストン美術館の企画で、コメント等もボストンの方がメインで作成されているようです。ここが大きなポイントですよね。我らが、これ、ジャポニスムの影響じゃー!と言っても、我田引水と思われてはシャクですものね。むしろ今回の展示会では、『え、これも?!日本の影響受けちゃった(照)?!』という作品のオンパレード。鼻が高いです。

当時の日本人が思っていた以上に、外国の方は日本のアートを見て、その価値を見出していたわけです。芸術というのは、その価値を見出してくれる人あってのものだなぁと感慨に浸りました。私たちも日々、素晴らしい芸術の再生者として心身を研磨しておりますが、その価値を分かってもらえなければ、ただの騒音に過ぎないのだなぁと、北斎漫画が陶器を包むための紙にされていたことを思い出しながら感じるのでした。

モネやゴッホはジャポニスムの影響を大きく受けた画家として有名です。今回、私が驚いたのはピサロにもその影響があったということ。印象派とは、光と影の問題。それを浮世絵はいとも簡単にその問題を超越していたのです。ピサロが綴った手紙には『広重は素晴らしい印象派主義者だ。』と書かれています。そして「雪に映える朝日」。
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美しいです。たくさんの絵の中にあっても、息を飲む作品です。冬の朝の凍てつく寒さと陽射しのほのぼのとした温かさ、冷たい空気の純粋さ、そして人の営み。まるでこの絵の中にいるように、五感全てが敏感に感じる、優しい、穏やかで美しい作品だと感動しました。

また着物を纏った西洋女性の絵も豊富でした。女性のポーズが物思いに耽っているというのが今までになかったものらしい。これも浮世絵の影響〜。
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ステヴァンス「瞑想」

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ターベルの「夢想」

ベルギー象徴派の絵画に多く見られる、アンニュイさ、メランコリー、そして何かを暗示しているような雰囲気を感じました。

今までゴッホやモネの作品で、これは浮世絵の影響です、ということを読んでも、『ふーん、それは分かった、でもどこがどのように?』と実は曖昧だった部分があります。それらが、今回の展示会で明確になりました。

・大胆なデフォルメ
・アンシンメトリーの構図
・俯瞰構図
・近接拡大
・顔の大写し
・画面の端による対象切断
・格子
・バックと主役が同じ程の存在感
・対象物に対して、手前に莫大な障害物
etc.

これらのことが具体的な例によって示されています。ステヴァンス(ベルギーの画家)は言っています。『日本美術は真の印象派だ。日本美術は近代性を表現するための効果的な要素である。』と。なるへそー。心からなるへそです。

美術館へ行き、こんなに曇天だった私の頭が快晴になったことはありません(笑)。この展示会のキュレーターの皆様、ありがとうございました!

そしていつも惜しみなく知識を与えてくださる鶴園先生に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

美術館の去り際、ジャポニスムを意識しての一枚。
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わっかるかな〜、このジャポニスム感(笑)。

鑑賞会の後のお茶会がまた楽しみの一つ。お茶会とは言え、私はハンバーグ&ステーキセット食べたけど内緒。今回はフランス歌曲の大家、太田朋子先生もご一緒でした。二期会研修所時代の先生です。今の私があるのはこの方のおかげです。きっぱり。本当に楽しく素敵な時間でした〜(惚れ惚れ)。
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先生方のコンタクト話、最高でした。けたたましい笑い声をあげてしまいました。内容は割愛(笑)。

ボストン美術館展、オススメどころか必修です。どうぞお出かけ下さい!
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by komaiyuriko | 2014-08-17 18:03

音楽関係者は、ラヴェルの『ダフニスとクロエ』のことを“ダフクロ”と言うらしい…。略すのが大好きな日本人。

ベートーヴェンの交響曲第7番は“ベトしち”、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークは、“アイネク”、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトは“チャイコン”、弦楽セレナーデは“弦セレ”、フォーレのレクイエムは“フォーレク”、ファミリーマートはファミマ。

中でも酷いのは、オペラ『フィガロの結婚』の中のケルビーノのアリア“恋とはどんなものかしら(Voi che sapete/ヴォイ ケ サペーテ)”のことを、ヴォイケサペと呼ぶこともある。あと“テ”だけじゃんっ!

ブラコン(ブラームスのVnコンチェルトで、ブラザーコンプレックスではない。)、春祭(ストラヴィンスキーの春の祭典で、東京春音楽祭ではない)、ひげじょ(悲劇的序曲のことで、ヒゲづらの女ではない)…切りが無いのでやめます(笑)。

ダフクロは、リヨン歌劇場の来日公演で演奏されました。
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指揮は大野和士さん。もちろん演奏はリヨン歌劇場の皆様。なんとそこに、シンガーズの各パート4名が参加させて頂きました。ちなみにソプラノ2は私一人。リヨン組は80人位いるのだろう、我らが数人入ったところで意味あるのかな…なんて思っていたら、いらっしゃったメンバーも各パート5.6人でした(笑)。どひゃっ。

大野さんは、来日したご自分の小屋のメンバーに向かって、「健康に気をつけて、素晴らしい日本滞在となりますように!」と稽古前に一言添えられました。そーゆーとこっ!

この偉大なマエストロのこういうところが好き、と思いました。大昔の話ですが、ベルリオーズのロメジュリ(略語満載)を大野さんとシンガーズで演奏した際にも、初稽古の時に、世界情勢を踏まえて、「今この曲を演奏する意味があるし、我々の使命だ。」というようなことをおっしゃった事を思い出しました。言わなくても分かってるし、言ったらキザかな、なんて思うようなことって日常に割とありますよね。でも言葉にすることによって再確認し、関係がより深まることがあります。

私の身近にも、ステキ男子がいます。とても仲良しなのに、「これこれこういうことで、ゆりがこう言ってくれたことを嬉しく思う、どうもありがとう。」などというのです。この人偉いなと心底感動します。仲良しすぎてふざけちゃって、きちんと気持ちを伝えないことって往々にしてありますよね。彼を見習って、私も特に感謝の気持ちはきちんと伝えたいと思います。

なんの話だったっけ。
ダフクロ、初期のドビュッシーのようなところあり、これぞラヴェルのオーケストレーション!と興奮させる場面あり、舞台が目に浮かぶような写実的でありながら印象派のヴェールに被せて、我らの想像力を掻き立ててくれるところありの、アドレナリンが出放っしの約1時間でした。

初日の大阪で、リヨンコーラスメンバーの女性の方がお一人、浮かない顔をしていました。どうやらトランクが不運なことに日本に着かなかった模様。。。よくあることです。そこで、翌日の東京公演のG.P.とコンサートの合間に弱り切った彼女と一緒に下着やら服やら生活必需品を買いに行きました。彼女は新宿の街を好奇心いっぱいに眺めていて、なんだかこちらまで楽しくなってしまいました。こういうアクシデントのおかげで、仲良くなれて良かった!彼女にとっては大変でしたが、私にとっては忘れ難い、いい思い出ができました。

コンサートは超満員。熱気溢れる会場で、ラヴェルの音楽が生き生きと奏でられていました。爽快感のあるコンサートにご一緒できて本当に良かった!有り難や〜、有り難や。

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大阪公演のため、前乗りしました。その日は、のぞちゃん夫妻とご飯を食べました!美味しいお好み焼きを満喫。

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そしてまさかの2連チャンで同じ店へ。美味しかったので、アンコールです。

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東京公演後、リヨンのメンバーと記念撮影。思い出深い公演となりました。

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最後はオペラシティ上にある焼肉屋さんで打ち上げ。高いお肉って美味しいね。

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帰りは酔っ払ってもないのにこんなことに。
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by komaiyuriko | 2014-08-05 18:16