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ウディ・アレンの映画がいつもツボです。「マンハッタン」は何度観た事やら。
真顔の討論で爆笑させるのは彼にのみできる神業です。そのウディ・アレンがアカデミー賞の脚本賞を受賞した作品、「ミッドナイト・イン・パリ」を鑑賞してきました。
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彼自身、アカデミー賞をとったからと言って「別に?」といったスタンスですが、コメントがまた面白い。
「アカデミー賞をとったのは良い驚きだったけど、自分の人生を変えることはないよ。現に今だって風邪ひいちゃってるしさ。」
ふふふ。笑えます。

この映画、大変ユーモアにあふれ、久しぶりに気持ちの良い映画を見た、という印象。映画終了後、なんだか拍手をしてしまった私。他にもパラパラ拍手が聞こえました。楽しくて悲しいことなんて少しもないのに、涙が出てしまう静かな感情の昂りってありますよね。この映画はまさにそんな感じ。

この映画によって、ベル・エポックのパリも、ルネサンスも、バロックも、ルイ王朝時代も、そして現在(いま)も、いつだって素晴らしい時代なのだと感じることができる精神の余裕と感受性の豊かさを常に持ち続けていないと損しちゃう!というアイディアを頂きました。

アホらしいほど洒落た映画です。この映画の脚本には正確さや精密さなんて全くありません。でも「そんなのどーでもいー!」と思わせる魔法がかかっているのだと思いました。
鑑賞後、恋をしているようなふわっとした感覚が続く素敵な映画。皆様もお時間がありましたら是非。渋谷Bunkamuraのル・シネマ他で上映中です。

あ~、やっぱりパリって魔法がかかっている街なんだな~。

同じくBunkamuraの地下にある美術館で「レオナルド・ダ・ヴィンチ~美の理想~」というエキスポジションをしていたのでフラリと立ち寄りました。
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鑑賞後、製作側のキャッチコピーのうまさについ唸り声をあげた私。
「ほつれ髪の女に初めて会える」です。素晴らしいキャッチ。まるで昔から会いたくて会いたくて、それでも会えるわけなくて、それが今日やっと叶う!的な。

ワクワクすることもあまりなく終了。アモナヴィー(私の意見)よ、アモナヴィー。一番興味深かったのは最後にある「レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯」という9分のヴィデオ。映っている風景やストーリーに全く関係ない音楽を挿入していると感じさせることが続き、それがものすごく驚きました。例えばフィレンツェの景色とウィンナーワルツの組み合わせのような。感覚で選曲といった大胆さ。

ウディ・アレンの「それについては言及したら野暮!これはユーモアなんだから。」といった非常に洒落た目隠しと、そのヴィデオの「え、なんで今それ流しちゃうの?」というフィット感の無さは、後者に意図があったとしてもその効果は雲泥の差だなと思いました。

ゴッホ終焉の地、オーベル・シュル・オワーズにあるゴッホが最期を迎えた宿屋で見るヴィデオの素晴らしさ(ゴッホがテオに宛てた手紙の映像とシュトラウスの「Beim schlafen gehen」や「Morgen!」の挿入)を思い出しながら、渋谷の雑踏を歩きました。

そして、デ・ゼッサントのように昼夜逆転の生活をしているこの私がナント、これまた渋谷の映画館へモーニングショーを観に行って参りました。「メゾン~ある娼館の記憶~」というフランス映画です。
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朝から重かった~~(泣)。19世紀後半から20世紀初頭までのフランス風俗文化の現実をまざまざと見せつけられた感じです。当時の男女の人権についてというより、人間としての尊厳について深く考えさせられる映画でした。

ちなみに、日本版のチラシには「観る者全てを虜にする、極上の官能の世界」と書いてあります。これはいかがなものでしょうね。「官能」の裏を描いた映画ですから、印象として「官能」はありませんでした。アモナヴィーよ、アモナヴィー。もっと深い映画だし、もっと傷つけられる映画だと思います。そこに真実がある、といったような。いつだって「真実」を見るには恐怖が伴うものです。時代の流れと共に変容して生きていかざるを得ない女性の儚さや悲惨な運命のようなものを眼前につきつけられるような映画です。
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上流階級(モンド)と高級娼婦(ドゥミ・モンド)の世界、それは当時花開いていた美しい世界の裏側で、確実にあった人間のはきだめ、人間の想像力の限りを尽くした毒の花咲く世界だったのではないかと思います。

「吉原炎上」を見た時の感覚と全く同じ印象。
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五社秀雄監督の名作。

華やかで眩しいほどに美しい世界と人間の欲望渦巻く暗黒の世界は表裏一体。西も東も変わらないのだと思いました。そして犠牲になるのは女性ばかり。時代のせいにしてしまえばよいのでしょうかねぇ。まったく何なんでしょう。

映画は全体的に美しい映像に溢れています。こんなマネの絵のような場面も。
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精神的に傷つけられ、鬱々とした気分になるけれど、見なければいけなかった映画だったと思います。建築や内装やコスチュームや装飾品のスタイルなども相当勉強になります。ヨーロッパ風俗文化の歴史を学ぶ映画としてはオススメです。

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by komaiyuriko | 2012-06-17 01:01 | 文化・芸術

梅雨入りしたな、と思わせる1日だけの土砂降りの日、「金髪のジェニー」の本番を迎えました。
お足元の悪い中満員のお客様に迎えられ、上機嫌のゆりこ。
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調子に乗って、専門のピアニカを演奏。そう、専門です。
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今までクルト・パイユコンサートや私個人のコンサートで演奏させて頂いておりましたが、ついにこの度、本格デビューでございます。なぜって、主催者に依頼された上に私のご尊敬申し上げるヴィオロニスト池澤氏とのデュオ付きだったから!
はははー。相当ピアニカ天狗になっています(笑)。

サントリーでの童謡&唱歌コンサートでいつも感じる、会場との一体感を今回も味わいました。この度のホールは小さめでしたので、熱気まで伝わってくる感覚。私にとっては初めてのポピュラークラシック&映画音楽でしたが、、、癖になりそう(ニヤリ)。クラシックの枠を超えて、良い音楽は本当に人の心を捉えるものですね。それらの曲が若い世代へ受け継がれず失われていくのは残念なことだと思います。ほとんど全ての曲を知らなかった、同年代の演奏家での今回のコンサート。私にとっては未知の名曲にたくさん知り合えたことが素晴らしい収穫となりました。
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楽しいメンバーでした。再演も楽しみ!

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by komaiyuriko | 2012-06-15 19:37 | コンサート

梅雨の足音がもうそこまでやって参りました。新しい長靴を買うのが楽しみな今日この頃。
そんな梅雨をぶっ飛ばす、ポピュラークラシック&映画音楽の祭典、「金髪のジェニー」がついに今週土曜日となりました。

何度かお伝えさせて頂きましたが、このコンサート、大変有難いことに売れ行き好調で、チケット発券前から売れてしまい、4月の段階でソールドアウトとなってしまいました。嬉しい悲鳴。今回は当日券も出ませんので、わざわざ足を運んで頂いたのに入れない、なんてことになったら大変ですので、今一度こちらでご連絡させて頂きます。
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そういうわけで、再演も決定です(笑)。
早くも予約が3分の1ほど入っておりますので、こちらもお早めにご連絡いただければ幸いです。
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「もっと気軽にクラシックを!」を合言葉に(初耳)、今後も精進致しますので変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げ奉りますぅ~。

最後にこの6月を歌った高踏派詩人、ルコント・ド・リールのNell(ネル)から超抜粋でご紹介。
梅雨のないパリは6月、最高に輝かしい季節を迎えます。それではご鑑賞くださいまし。

Ta rose de pourpre à ton clair soleil,
Ô Juin. Étincelle enivrée,
Penche aussi vers moi ta coupe dorée:
Mon coeur à ta rose est pareil.

La chantante mer. Le long du rivage,
Taira son murmure éternel,
Avant qu'en mon coeur,chère amour.
Ô Nell,ne fleurisse plus ton image!

御身の紅のばらは明るき太陽を持てり
おぉ、六月よ くるめく火花よ
御身の黄金の杯をわれにも傾けよ
わが心は御身のばらに似たり

歌う海は渚のほとりにて
永遠のつぶやきをとどむべし
わが心の中にて おぉ恋しきネルよ
御身の姿の花咲くをやめん日には!

(小松清訳)

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by komaiyuriko | 2012-06-06 03:11 | コンサート

先日、大盛況のうちに幕を閉じました「世田谷の詩人と作曲家によるコンサート」、最高に楽しい夜となりました。

ピアノが98%内部奏法、ええぃ、この際、椅子は邪魔だ~!というわけで、ピアニストさんは椅子ナシでの演奏でした。まるで打楽器奏者のような技で観客を魅了したピアニスト矢田さん。弦をこすったり叩いたり、フレームをこすったり叩いたりの、ピアノ全体に響くいとも不思議な音響の中で私の声も響く、という妙なる時空を提供した作品でした。
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世話人で、ご自身の曲も発表された池辺晋一郎先生は、「この22年続いたコンサート始まって以来の作品!」とおっしゃっておられました(当然いい意味で!)。しかし確かに、このコンサートは区民に愛され歌い継がれるような作品発表的な雰囲気がありました(笑)。地元のコーラス団が新作や再演の作品を歌ったりする場面もありましたし、すぐに口ずさめるような曲も多くありました。

そのような中、私たちが演奏した曲は、そうそう演奏できない難曲で、会場いっぱいに緊張感を味わっていただくような作品でした。でも真の芸術作品というのは色々な感情や効果を生み出しますから、そういう意味で詩人ゴーチエさんの言葉を借りれば「芸術のための芸術 L’Art pour l’art」といった作品を演奏できて、充実感いっぱいの時間を満喫しました。
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惜しみない称賛をピアニストさんに

作曲家の先生とは稽古でもリハーサルでもご一緒し、大変面白い素敵な先生で、この出会いにも感謝しております。もちろん密度の濃い1週間を共に過ごさせていただきましたピアニストさんには、この日でしばらくお会いできないと思うと寂しい気持ちになるくらいでした。詩人の李承淳先生もいらしていたのですが、わさわさしているうちにお話しする機会を逃してしまい、大変残念でした。

「さぁ、再演はいつかな~?!」
と期待してしまう調子の良い私。その日を夢見て楽譜をしまいました。
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作曲家の猿谷紀郎先生とピアニストの矢田信子さんと

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by komaiyuriko | 2012-06-03 16:22 | コンサート